エムドゲインは、スウェ一デンのビオラ社で開発された新しい歯周組織再生誘導材料です。
エムドゲインの主成分(エナメルマトリックスデリバティプ:emd)は歯が生えてくるときに重要な働きをするたん白質の一種です。歯周外科手術の際に、手術部位にエムドゲインを塗布することにより、歯の発生過程に似た環境を再現します。こうして、初めて歯が生えたときと同じような強固な付着機能をもつ歯周組織の再生を促すのです。
エムドゲイン治療の流れ
  1歯周外科手術によるエムトゲインの塗布は、
1・歯肉の切開、剥離、清掃、2・エムトゲインの塗布、3・縫合
となります。
エムドゲインは、歯の根元をおおい、歯周組織の再生を促すのです。
手術の前に
  歯周組織の状態を調べるために、歯周ポケットの深さを計ったり、レントゲンを取ったり、その他治療に必要な検査を行います。エムドゲインを使った治療が行えるかどうかは、歯周病の程度や患者さんの健康状態によっても異なりますので、担当医とよく相談して下さい。
歯周外科手術
  手術は抜歯をするときのように麻酔をかけて行います。まず最初に治療する部分の歯肉を切開し、剥離します。次に歯根表面の清掃を行い、エムドゲインを塗布します。最後に切開した歯肉部分を縫合し、手術は終了です。手術にかかる時間は約1時間前後で、手術後、しばらく休んでいただいた後は帰宅できます。抜糸は手術日から1〜2週間後に行います。
  1・歯肉の切開   2・歯肉の剥離
  4・エムトゲインの塗布   3・歯肉の清掃
  5・縫合
手術の後は
  健康な歯周組織を取り戻すまで、数カ月から1年程度かかります。この期間は個人差があり、
また歯周病の程度によっても違います。術後のスケジュールは患者さんにより異なりますので、必ず医師の指示に従ってください。
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  歯周治療法の目的は病気の進行を止め、健全な状態に組織を同復させることです。もし病気がまだ初期の段階であれば、歯の表面を清掃することで、手術をしなくても組織の炎症をなくすことができますが、症状が重くなり、深い歯周ポケットができている場合、手術が必要となることがあります。

手術では歯周ポケットを浅くし、感染した組織を取り除くことにより、健康な歯になります。しかし歯肉は以前より低い位置に下がってしまうため、歯が長くみえるようになります。もとの位置に戻せた場合でも歯を機能的に支えることができるかどうかは確かではありません。
最近まで、歯と骨を結ぶ線維を再生できる望みはほとんどありませんでした。しかし1980年代以降、新しい研究の成果として失われた歯周組織をよみがえらせる再生治療が開発されました。
ここではその代表的な治療法として、
エムドゲインによる治療を紹介します。
生物学的な原理
  再生が起こるためには、付着線維をつくることができる細胞だけが歯根に接触するようにしなければなりません。それ以外の細胞は歯根から離しておかなければなりません。すると付着線維がゆっくりと成長します。
術式
   再生による冶療法は従来の歯周外科に含まれるすべての術式と関連していますが、ただ1つ重要な違いがあります。それは手術によりプラークや歯石を除去した後にメンプレンを歯肉の下に置くことです。4〜6週問後にそのメンブレンは取り出します。すると歯は健康な組織で覆われています。